2025年6月25日(水)、
マリンメッセ福岡で開催された「福岡ギフト・ショー2025」に参加してきました。
コロナ禍を経て実に6年ぶりの開催。私自身も2018年以来の来場で、久しぶりにリアルな展示会の熱気を肌で感じる機会となりました。

福岡有数のコンベンション施設であるマリンメッセ福岡は30周年を迎えるそうです。
今回は、2021年にオープンしたB館の方で行われました。
会場では直接展示を見たり、担当者や店主と名刺交換をしていろいろお話をさせていただきました。
久しぶりに目と耳で多くの情報を得ることができ、テンションが上がりました。
出展者との対話から見えたこと
今回の展示で特に印象に残ったのは、「推し活」の存在感と、それによるギフト・ノベルティ業界の大きな変化です。
「推し活」がギフト文化のトレンドを塗り替えた
まず感じたのは、展示品のスタイルが全体的に「若返っている」こと。
推し活ブームの影響で、消費者のターゲット層がこれまでのビジネス層中心から、若年層の一般顧客へと大きくシフトしている印象を受けました。
展示アイテムの多くは、一目で「推し活向け」とわかるような、カラフルでポップなデザインが目立ちました。
一方で、従来のシンプルな企業ノベルティスタイルのほか、サステナビリティを意識したナチュラルデザインなども並列しており、今の消費者の多様性に対応する工夫が見られました。
小ロット対応と印刷技術の進化
もうひとつ注目する点は、印刷技術や製造工程の進化。
従来であれば難しかった「小ロットでの高品質印刷」も、今や十分に可能な時代になっているようです。
個人事業主や小さな店舗でも、気軽にオリジナルグッズやノベルティをオーダーし、展開できる時代が来ています。
特に、お茶屋さんや珈琲専門店といった「街のこだわり店」が、オリジナルパッケージのティーバッグやドリップパックの個包装商品を展開し、さらにオリジナルデザイン商品を展開したい個人や業者向けに受注までしていたのが印象的でした。
ギフト市場にとどまらず、一般流通にまで独自性の高いデザイン展開の裾野が確実に広がっていることを実感しました。
地域の魅力を伝えるツールとしての「ギフト」
会場内では、福岡県商工会連合会が展開する「DOCORE(どぉこれ)」の出店商品も集まっており、福岡の地域ブランドを発信する取り組みも目を引きました。
ふるさと納税の返礼品となっている商品もあり、オリジナリティを強く意識して「地域の価値を見える化する」動きが確かに加速しています。
DOCOREのセミナーでも、見た目にこだわりながら「ここにしかない一品」を届けようとする姿勢を特徴として紹介されていました。
ギフト需要の観点から見ても、こういった強みは活かせるのではないかと感じました。

気づきとヒント
「個人の想い」や「地域の魅力」をどう伝えるかが、これからのギフトやノベルティの鍵になる――そんな時代の空気を強く感じました。
そこには、デジタルが苦手な小規模事業者や地域店舗が、時流にどう乗っていくかという課題も浮き彫りになっています。
今回の福岡ギフト・ショーを通じて見えてきたのは、ギフトやノベルティの分野においても「個人のこだわり」や「地域性」といった“想い”が、今の消費者に強く響く時代になってきているということでした。
そして同時に、それらをどう発信するか、どう届けるかという手段として、デジタルの活用がますます重要になってきています。
とはいえ、すべての小規模事業者や地域の店舗が、すぐにSNSやEC、デザインソフトを使いこなせるわけではありません。
そこで、以下のような「小さな一歩」から始めることが、時流に乗るための現実的なヒントになるのではないでしょうか。
デジタルが苦手な小規模事業者や地域店舗が、時流に乗るためのヒント
1. まずは“見せ方”を整える
- 商品写真を撮るとき、背景や照明を少し意識するだけで印象が大きく変わります。
- 印刷物にするかSNSに投稿するかに関わらず、「誰にどう見られたいか」を考えて撮ることが大切です。
2. 手に取りたくなる“ストーリー”を添える
- 「うちは昔から○○をやってるから…」という背景こそが、今の時代には魅力になります。
- 商品にちょっとしたエピソードカードや、手書きのPOPを添えるだけでも伝わります。
3. できることから“デジタル”を活かす
- 無理に全部をデジタル化しようとせず、「今のお客様がよく見る場所」から始めましょう。
- たとえば、Instagramで1週間に1回、商品の写真を1枚投稿するだけでも、十分なスタートです。
4. 「自分でやらなくていい」選択肢を知る
- 小ロット印刷やオリジナルグッズ制作をサポートしてくれる業者や地域支援の仕組みも増えています。
- 「苦手なことは任せて、自分は本業に集中する」姿勢も、今の時代には立派な戦略です。
リアルな展示会でしか得られない発見と熱気。
「贈る・伝える・応援する」ことの意味が、時代とともに変化し続けていることを肌で感じました。
私サガノトモ(よかウェブ九州)としても、今回の展示で得たヒントをもとに、これからの支援にしっかり活かしていきたいと思います。
同じ日に行われたセミナーレポートも記事にしております。
あわせてお読みください。
